毎クールのように連続ドラマを掛け持ちし、常に露出を保ち続けることが成功とみなされがちな日本の芸能界。その定石に対して、彼女が取ってきたアプローチは極めて対照的だ。NHKの骨太なドラマや厳選された映画作品にのみ腰を据えて参加し、自らの価値を安易に切り売りしない姿勢を貫いてきた。
「役者は生き方がそのまま出る仕事」。その哲学を体現するかのように、彼女は私生活の時間を犠牲にしてまで仕事を詰め込むことを選ばない。生きることを誰よりも丁寧に味わい尽くしているからこそ、カメラの前に立った瞬間に、役柄の背後にある人生そのものが立ち上がってくるのだ。