毎年ネット空間で浮上する懐疑論の一つに、「シャツの売り上げはテレビ局の制作費や出演者のギャラに消えているのではないか」という憶測があります。しかし、公式発表資料および財務諸表の公開データを確認すれば、この懸念は明白な誤認であることが分かります。
24時間テレビチャリTシャツの売上金から諸経費(Tシャツの製造原価、輸送・流通にかかる直接経費、消費税など)を控除した収益金の全額は、内閣府認定の「公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会」へと直接繰り入れられます。同法人は民間企業であるテレビ局とは完全に財務が独立しており、集まった寄付金は「福祉車両の全国配分」「障害者スポーツ支援」「全国の大規模自然災害への緊急復興義捐金」などの使途に厳密に限定されて執行されています。収支報告書は毎年ウェブサイト上で透明性をもって一般公開されており、資金の流れに疑義が生じない体制が構築されています。
一方で、依然として深刻な課題として残されているのが二次流通市場における転売問題です。フリマアプリでは、発売初日の夕方から定価約2,000円のTシャツが3,500円から5,000円前後のプレミアム価格で大量出品されます。これらは善意の寄付という本来の趣旨から完全に逸脱した私的利益の追求であり、購入者がこうした転売品に手を出してしまうと、本来寄付に回るべき資金が転売者の懐に入る結果となります。イオンでは「お一人様あたりの購入点数制限(1会計につき各色・各サイズ〇点まで)」といった転売抑止策を強化しており、二次流通で焦って購入せずとも、公式の再販サイクルを待つことが最も確実かつ倫理的な防衛策です。