ストリートウェアの手入れに関しては、誤った民間療法が都市伝説のように広まっているケースが少なくありません。特に注意すべき2つの誤解を正します。
1つ目は、「ニューエラのバイザーは厚紙でできているから濡れたら終わり」という古い認識です。確かに1990年代以前のヴィンテージモデル等には紙製芯地が使われていた時代もありましたが、現行のニューエラキャップのバイザー芯はプラスチック素材が採用されています。そのため「水に濡れた瞬間にツバが溶けて折れる」ということはありません。しかし前述の通り、ツバを包む生地自体の浮きやシワ、糊の劣化は起こるため、水濡れを避けるべきであることに変わりはありません。
2つ目は、「食洗機に入れて洗うと型崩れしない」という海外発祥の裏ワザです。食洗機用キャップホルダーを使用して食洗機で洗う手法が一時期SNSで拡散されましたが、食洗機の高熱温水(60〜70℃以上)と強力なアルカリ洗剤は、生地の退色、芯地の接着剥がれ、バイザーの熱変形を招く極めて危険な行為です。絶対に真似をしてはいけません。
【プロの結論】自宅手洗いに挑戦すべきケース・専門クリーニングに任せるべき判断基準
自宅での手入れと専門業者への依頼は、以下の基準で明確に切り分けるのが賢明です。
【自宅手洗いで十分対応できるケース】
・ポリエステル100%素材の現行モデル(9FORTY、9TWENTY、現行59FIFTYなど)
・汚れがスウェットバンドの軽度な皮脂汚れや額のファンデーション付着にとどまる場合
・日常的な消臭・ブラッシングケア
【専門の帽子クリーニング店に依頼すべきケース】
・ウール100%素材のヴィンテージ品や限定コレクターズアイテム
・クラウン全体に白く塩を吹いたような広範囲の重度汗ジミがある場合
・バイザーシールを絶対に1ミリも劣化させず、かつ全体の除菌消臭を行いたい場合