この労働意識のシフトは、ビジネスの現場にも劇的な地殻変動をもたらしている。かつて就職人気の頂点に君臨していた金融業界や巨大大企業からの人材流出が止まらない。人材サービス業界のデータによれば、単に「高給であること」だけを求職理由に挙げる若手は急激に減少し、代わりに「ポータブルスキルの獲得」や「副業・複業の自由度」を最重視する傾向が顕著になっている。
ビジネスメディア『NewsPicks』などでも連日熱い議論が交わされているのは、従来型の「昇進レース」から抜け出し、個人の市場価値を高める新しいキャリア論だ。1つの組織に依存するリスクを避け、複数の収入源を確保しながらキャリアの主導権を握る。かつて「異端」とされた働き方が、いまや賢明なリスクヘッジとして定着しつつある。