備中松山城の険しい石段を登りきった本丸で旅人を迎えてくれるのは、愛くるしい姿で城内を見回る「猫城主さんじゅーろー」だ。平成30年7月豪雨の混乱期に城へ迷い込み、そのまま城主として迎え入れられた数奇な運命を持つこの猫は、今や国内外のファンを虜にする存在となった。
YouTubeをはじめとするSNS上で気ままな日常や凛としたパトロール風景が拡散され、彼に会うためだけに過酷な山道を登ってくる熱心なファンの姿も珍しくない。歴史の重厚さが漂う山城に、柔らかな温もりと笑顔をもたらす小さな城主は、過疎に悩む地域コミュニティを明るく照らす確かな希望のシンボルとなっている。