オトガイ唇溝の改善を望む人が陥りがちな最大の誤解は、「くぼみを完全にゼロにして平らにすれば美しくなる」と思い込んでしまうことです。
顔面の審美構造において、オトガイ唇溝は下唇と顎先を分節化し、立体感を生み出すための不可欠な構造物です。もしヒアルロン酸などを過剰に注入して溝を完全に埋めてしまうと、横顔のS字カーブが失われ、下唇から顎先までが寸胴な一直線になってしまいます。これは「アヒル口」の変形版のような不自然さを生み、いわゆる「のっぺりとした平坦顔」や「しゃくれたような印象」を与える原因となります。
美容医療におけるオトガイ唇溝の改善目的は、「溝を消し去ること」ではなく「深すぎる影を和らげ、理想的なカーブに整えること」です。このニュアンスを理解している熟練のドクターは、溝そのものだけに注入するのではなく、顎先のトップや唇のボリュームとのバランスを総合的に見極めてミリ単位のデザインを行います。