右袖を軽やかにつまみ、背筋をピンと伸ばしてバットを相手投手へと向ける。あの一連の所作は、言葉を介さずに一瞬で爆笑と歓声を巻き起こす。ものまねタレントのニッチローがブレイクした背景には、細部への異常なこだわりがあった。
本来、本物のイチローは左打者だ。しかし、再現度を突き詰めるあまり、あえて観客から見えやすい右打席でのルーティンや日常動作を研究し尽くすといった変幻自在のパフォーマンスも展開してきた。ストイックすぎる身体づくりと完璧なトレースは、もはやお笑いの枠を超え、独特のアートとして評価されている。