妻妾の残酷な格差とは?正妻と側室の序列と明治廃止の真相に迫るに関する疑問を丁寧にまとめました。専門的な情報をご覧ください。

言葉の基本を押さえると、妻妾の読み方は「さいしょう」であり、文字通り「妻(正妻)」と「妾(めかけ・側室)」を指す総称です。古代中国の法典や日本の律令制に端を発する言葉であり、四字熟語には「妻妾同群(さいしょうどうぐん)」という表現も存在します。これは正妻と妾が同じ屋根の下で群れ集う様子や、複数の女性を侍らせる状況を形容しますが、その実態は決して対等な共同生活ではありませんでした。

東アジアの伝統社会を論じる際、極めて多くの人が陥る誤解が「かつての日本は一夫多妻制だった」という言説です。家族史研究や法制史において、日本および中国王朝が採っていた婚姻制度は明確に「一妻多妾制(いっさいたしょうせい)」と定義されます。正妻の座に就くことができる女性は生涯で同時にただ1人のみであり、妾がどれほど寵愛を受けようとも、法的な妻の立場に繰り上がることは厳格に禁じられていました。

儒教の根本規範を記した『礼記』には「妻は斉(ひと)し」という記述があります。これは「妻は夫と対等の身位を持つ伴侶である」という意味を含んでおり、先祖の祭祀を司り、家督の正統な継承者を産み育てる公的な女主人は正妻に限られていました。これに対して妾は、家父長に対する従属的な存在であり、極端にいえば「生殖と家事労働のための召使い」に近い身分に据え置かれていたのです。