日本中が固唾をのんで見守った2010年バンクーバーオリンピック。弱冠19歳の天才少女が挑んだのは、女子シングル最高峰の大技、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)だった。ショートプログラムで1回、フリースケートで2回、計3回のトリプルアクセルを完璧に着氷させるという前人未到の快挙を達成。この記録は国際スケート連盟(ISU)のギネス世界記録にも認定された。
大会後、胸に下げられた銀メダルを見つめながら、涙をこらえて語った彼女の表情を記憶している人も多いだろう。金メダルへの届かなかった悔しさと、自身の全力を出し切った誇り。日本スケート連盟の誇るエースとして背負った重圧は計り知れないものだったが、その勇姿はフィギュアスケートの可能性を大きく広げたのだった。