顕微鏡や高解像度カメラで捉えられた「ひどい枝毛」の画像には、毛先が2つに分かれる典型的なものだけでなく、何段階にも枝分かれした樹木状のものや、途中にコブのような白い点ができるものなど、多様な破損パターンが存在します。毛髪科学の臨床現場では、これらは単なる乾燥ではなく、キューティクルの損傷が臨界点を超えた「毛髪の構造崩壊」として分類されています。
毛髪の約85〜90%を占めるコルテックス(毛皮質)は、外側を覆うウロコ状のキューティクルによって保護されています。しかし、摩擦や熱、薬剤によってキューティクルが剥がれ落ちると、内部のケラチンタンパク質繊維がバラバラに解け、縦方向に裂けていきます。これが枝毛の正体です。
一般的に見られる枝毛の種類一覧とその深刻度は以下の通りです。
- 二股・三股枝毛(初期〜中期ダメージ):毛先がアルファベットのY字状に裂けた状態。日常のブラッシング摩擦やドライヤーの過熱が主因。
- 樹形・羽状枝毛(重度ダメージ):1本の毛先が何重にも細かく裂け、木の枝や鳥の羽のように広がった状態。ブリーチや度重なる縮毛矯正による深刻なタンパク質流出が原因。
- 結節性裂毛・白点枝毛(末期ダメージ):毛幹の途中に白い粒状の変形ができ、そこから折れ曲がったり破裂したりする状態。医学的には「枝毛裂毛症(えだげれつもうしょう)」とも関連し、わずかな力で千切れる極限状態。