映像作品の盛り上がりと呼応するように、音楽シーンではJ-POPという概念が完全な市民権を獲得した。テレビドラマのタイアップと連動したシングルCDは、毎週のようにミリオンセラーを叩き出し、街中のCDショップは新譜を求める若者たちで溢れかえった。
歌謡曲のシステムから自作自演のバンドやシンガーソングライター主導の構造へ。日本エンターテインメント産業の構造自体が大きくシフトし、アーティストの個性とメッセージがダイレクトにリスナーの心へと届くエコシステムが確立された。CDという手のひらサイズのプラスチック盤が、ひとつの時代全体の共通言語として機能していた奇跡的な瞬間がそこにあった。