大手妊活・育児コミュニティやSNSに寄せられた体験談、相談支援窓口に集まる生の声を取材すると、妻たちが直面している現実の過酷さが浮き彫りになります。なかでも顕著なのが、嗅覚の変化に伴う激しい拒絶反応です。
「以前は大好きだったはずの夫の柔軟剤や香水の匂い、さらには枕カバーの匂いすら生ゴミのように感じて嘔吐してしまった」「帰宅した夫が放つ独特の体臭やアルコール臭がリビングに充満するだけで、胃液が逆流する」といった、妊娠中夫匂い無理という悲鳴が日常茶飯事となっています。これは生物学的に、妊娠中の女性が腐敗物や毒素を体内に取り込まないよう嗅覚が数倍から数十倍に研ぎ澄まされるために起こる現象です。夫がどれほど入浴や消臭に気を配っても、防ぎようのない身体反応といえます。
さらに深刻な摩擦を生むのが、妊娠中旦那スキンシップ拒否をめぐる問題です。手をつなぐ、肩に触れられる、同じベッドで就寝するといった行為に対して、虫唾が走るほどの鳥肌を覚える女性は珍しくありません。当事者女性の手記には次のような切実な告白が綴られています。
「夫が優しさのつもりでお腹を撫でようと手を伸ばしてきた瞬間、反射的にバシッと払いのけてしまった。夫の傷ついた顔を見て胸が張り裂けそうになったけれど、本能が『触らないで!』と叫んでいる。触れられること自体が恐怖で、夜寝室に入るのが怖くてたまらない」
妻側は体調不良と拒絶反応の挟み撃ちに遭い、妊娠中旦那ストレス限界の状態に追い込まれています。一方で理由を正しく理解できない夫側は「浮気しているのではないか」「妻から男として見られなくなった」と被害妄想を膨らませ、家庭内の空気は一触即発の緊張感に包まれてしまうのです。