1998年は、一般家庭にインターネットが本格普及し始めた黎明期でした。パソコン通信や創成期のテキストサイト、匿名掲示板などでは、当時のネットの反応と評価が熱を帯びて交わされていました。
カズ落選の速報が流れた直後、大手プロバイダのフォーラムや草創期のサッカー系掲示板には、指揮官批判と擁護論が入り乱れる膨大な書き込みが殺到。回線がパンクするサーバーも現れるなど、ネット上でも前代未聞の騒乱となりました。大会中の3連敗に対しては厳しい批判が寄せられた一方、「世界のトップレベルとの差が明確になった」「中田のプレーだけは通用していた」といった冷静な戦術分析も書き込まれ、テレビや新聞の一方通行な報道とは異なる、サポーター独自の言論空間が形成され始めたのもこの時期の特徴です。
羽田空港へ帰国したサッカー日本代表メンバーに対し、一部の過激なファンから水が浴びせられるという後味の悪い事件も発生。歓喜の初出場から失意の帰国まで、当時の日本列島が経験した異常な熱狂とプレッシャーの大きさは、ネットのログや当時のアーカイブからも生々しく伝わってきます。