日光東照宮の三猿に隠された真実!全8枚が描く人の一生と4匹目の真相の詳細解説をお届けします。専門的な知識がチェックできます。

インターネットや観光ガイドの小話で時折話題にのぼるのが、「三猿には実は4匹目の猿が存在する」という噂です。この言説の真偽と、近年話題となった修復後の外観変化について検証します。

4匹目の猿「せざる(しざる)」の真相

日光東照宮の神厩舎にある三猿のレリーフそのものには、物理的な4匹目の猿は彫られていません。しかし、前述した『論語』の教え「非礼勿動(礼に背く行動をしてはならない)」に対応する存在として、「せざる(しざる=不作為・悪行をしない)」あるいは「交ざる(性的な過ちを犯さない)」という4匹目の猿を掲げる文化圏が存在します。

京都の八坂庚申堂や、インド、東南アジアの寺院、欧米のアンティークコレクションなどでは、「両手で股間を押さえる猿(Do no evil)」を加えた「四猿」として祀られているケースが実際に確認されています。日光東照宮においては、全8面のストーリー全体を通して「正しい行動」を説いているため、あえて第2面では子どもの感覚器官(目・耳・口)を保護する3匹に絞って表現されたというのが定説です。

平成の大修理による「顔の変化」と現在の落ち着き

日光東照宮では、およそ数十年に一度の周期で漆の塗り替えや彩色修復が行われます。平成の大修理の一環として2016年6月から2017年3月にかけて行われた三猿の修復では、約65年ぶりに塗り直された猿の表情が「目が大きくなり、アニメ調になった」「以前の渋い表情と違う」とSNS上で大きな議論を巻き起こしました。

当時の日光東照宮社務所および修復を手がけた日光社寺文化財保存技術協会の公式見解によると、江戸時代の当初の図面や残存していた顔料層を綿密に調査・復元した結果であり、決して意図的な改変ではないことが説明されています。修復から年月を経た現在、天然の岩絵の具や漆が日光の紫外線と外気に馴染み、木肌と調和した深みのある落ち着いた風合いを取り戻しています。