現在、栄地区は高層ビルの建設や公共空間の再整備が相次ぎ、物理的にも視覚的にも激しい変化の渦中にある。街全体が未来像に向かって動的に膨張を続けるなかで、美術館が提供する「静寂と沈思の時間」の価値は高まるばかりだ。
エレベーターの扉が開き、展示室内へ一歩足を踏み入れた瞬間に訪れる空気の遮断。都市の賑やかさと背中合わせにあるこの静寂は、慌ただしい現代社会を生きる都市生活者にとっての心理的なシェルター機能も果たしている。買い物の高揚感と、作品と対峙する静かな緊張感。この二律背反する体験の切り替えこそが、都市型美術館ならではの醍醐味である。