三菱の事業基盤を強固にしたのは、創業者の岩崎弥太郎と、その長男であり三代目社長を務めた岩崎久弥の指導力に他ならない。弥太郎の野性味溢れる商才と決断力は、海運業を独占し、国家のインフラを支える礎となった。
一方で、ペンシルベニア大学に学んだ岩崎久弥は、組織の近代化と事業の多角化を推進。自営農場や鉱山開発、さらには貴重な東洋学の研究機関である「東洋文庫」の創設など、社会還元事業に情熱を傾けた。「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」という三菱の経営理念「三綱領」は、このふたりの指導者の実践から生まれたものだ。