2004年の『新選組!』で初めて大河ドラマのメガホンを握った際、三谷幸喜は若き志士たちの青春群像劇として幕末を描き出した。伝統的な時代劇ファンからは当初驚きの声も上がったが、回を追うごとに登場人物たちの絆と別れが視聴者の胸を締め付け、熱狂的な支持層を生み出した。
続く2016年の『真田丸』では、戦国乱世を生き抜く小領主のサバイバルを、ユーモアと冷徹な謀略の絶妙なバランスで活写。そして2022年の『鎌倉殿の13人』に至っては、ダークで容赦のない権力闘争を真正面から描き切り、コメディ作家の枠を完全に超えた劇作家としての凄みを見せつけた。軽妙なテンポで引き込みながら、最後には逃れられない悲劇の深淵へと叩き落とす構成力は、三谷ドラマの真骨頂である。