さらば青春の光(森田哲矢・東ブクロ)の軌跡を振り返る上で、避けて通れないのが松竹芸能からの専属契約解除と個人事務所設立という一大転機です。2008年のコンビ結成以降、彼らは卓越した構成力と演技力を武器に関西のお笑い界で急速に頭角を現しました。
転換点となったのは2012年の『キングオブコント』準優勝でした。全国区の知名度を獲得した直後、2013年1月に突如として松竹芸能を離れる決断を下します。当時、業界内では「円満退社ではない独立」として大きな波紋を呼び、一時は民放キー局への出演が激減する干され状態に陥りました。
後に森田哲矢がインタビューや自著で明かした個人事務所の独立理由は、極めて現実的なものでした。ネタ作りや出演番組の方向性を巡る事務所サイドとの度重なる意見の食い違い、そして「どれだけコントで結果を出しても正当に評価・還元されない契約構造」に対する強い危機感があったと語られています。芸人としての純粋な表現の自由と、自らの手で事業をドライブさせる覚悟を持った二人は、2013年10月に五反田の小さな雑居ビルで「株式会社ザ・森東」を登記しました。