ブレザー化に伴い全国で急速に普及したのが「女子生徒のスラックス選択制」です。現在、公立高校の約95%、公立中学の80%以上でスラックスの選択が認められています。防寒対策や自転車通学時の防犯性・利便性から、冬場を中心にスラックスを着用する女子生徒は年々増加しています。
しかし、制度の導入初期には現場特有の「見えない壁」も存在しました。生徒へのヒアリング取材では、次のような葛藤が語られていました。
「スラックスを履きたいけれど、学年で自分ひとりだけだと目立ってしまい、からかわれるのではないかと不安だった」(地方公立高校の卒業生の手記より)
こうした心理的ハードルを解消するため、近年では多くの学校が「男子用・女子用」という区分自体を撤廃。「タイプA(ウエストが絞られた細身シルエット)」「タイプB(ストレートシルエット)」といった呼称に変更し、ネクタイ・リボン・スカート・スラックスを誰もが自由に組み合わせて着用できる運用ルールへと改定を進めています。この運用の柔軟性こそが、ブレザー制服が持つ最大の強みです。