現在、六代目山口組の絶対的な中枢として君臨する弘道会だが、その本拠地に対する当局の締め付けは過去最高水準に達している。特定抗争指定暴力団への指定以降、本部事務所への組員の立ち入りや複数人での立ち集まりは厳密に禁止され、かつてのような賑やかさは完全に消え去った。一見すると無人の不気味な建造物に見えるが、組織の神経網としての機能が完全に途絶えたわけではない。
規制強化の舞台裏では、捜査当局と組織側による熾烈な「情報戦」が繰り広げられている。対面での幹部会が困難となった現在、連絡手段の分散化や暗号化された通信手段の活用、さらには警察の目を盗んだ地方都市での密会など、実効支配を維持するための水面下の模索が続く。表面上は沈黙を守りつつも、組織の指示系統を途絶えさせない強固な統制力こそが、今の情勢下における最大の不気味さと言える。