1999年5月、西村博之(ひろゆき)は留学先のアメリカで「2ちゃんねる」を開設した。当時のインターネットはダイアルアップ接続からブロードバンドへの移行期であり、個人が発信できる場は限られていた。そこに登場したのが、身元を明かさずに自由に発言できる「匿名掲示板」というフォーマットだ。
資金も潤沢ではなかったひろゆきは、米国の安価なサーバーを契約し、簡素なPerlスクリプトでシステムを構築した。ログの保存コストを最小限に抑えつつ、ユーザー同士が自律的にスレッドを消費する仕組みは、驚くほど効率的だった。過激な書き込みや違法な情報の流通といったリスクを孕みながらも、建前を排した本音の議論が行われる場として、サイトは爆発的なユーザー数を獲得していった。