創価学会2世の葛藤を深める最大の要因の一つが、政治との密接な関わりである。創価学会を母体とする公明党の選挙支援活動は、幼い子供たちの生活にまで深く浸透していた。選挙期間中になると「F取り(友人票の獲得)」の号令がかかり、友人や親戚への電話かけを促される体験は、多くの2世にとってトラウマとなっている。
かつてお笑い芸人として活躍し、後に政治家として宗教問題に切り込んだ長井秀和氏の告発は、こうした選挙活動の実態に光を当てるきっかけとなった。自身の生い立ちと内部構造を暴露した彼の発言は、タブー視されていた政教分離をめぐる議論に一石を投じた。幼い頃から友人を「集票の手段」として見なすよう擦り込まれる倫理的葛藤。それは、大人になって組織を離れた後も、対人関係におけるぬぐい切れない傷となって残り続けている。