昨今の外食・日本料理産業が多様化を見せるなか、同店が頑なに守り続けるのが「砂糖を一切使わない秘伝のタレ」である。醤油と本みりんのみで仕立てられたそのタレは、さっぱりとしながらも深みのあるコクを出し、うなぎ本来の脂の甘みと旨味を最大限に引き立てる。
伝統的な鰻割烹・蒲焼の工程には「串打ち三年、割き五年、焼きは一生」という言葉がある。蒸しをしっかり効かせて余分な脂を落とし、備長炭の強い遠赤外線で表面はパリッと香ばしく、身はふっくらと柔らかく仕上げる。職人の手仕事と長年継ぎ足されてきたタレが織りなす蒲焼は、一口食すごとに唸らされる完成度だ。