インスタントラーメンの長期放置で最も警戒しなければならないのが、麺を揚げる際に使われた植物油の酸化です。麺が空気中の酸素や光、熱に触れ続けると、油熱劣化が進んで「過酸化物」と呼ばれる有害物質が生成されます。
食品衛生法では、即席めん類の油脂における過酸化物価(POV)の上限が30meq/kg以下、酸価(AV)が3.0以下と厳格に規定されています。この基準値を超えて過酸化物価が異常に高くなった酸化油を摂取すると、消化器官の粘膜が強い刺激を受け、食中毒に酷似した症状を引き起こします。
主な症状には、激しい胃痛、胸やけ、吐き気、嘔吐、急性の下痢などがあります。注意すべきは、「熱湯で煮込んでも酸化した油は元に戻らない」という点です。細菌と違って化学変化による毒性であるため、どれだけ加熱殺菌しても劣化成分を無力化することはできません。胃腸が弱い方や子ども、高齢者が劣化した油を口にすると重症化しやすいため、過度な過信は禁物です。