マルヤスに足を踏み入れた人が誰しも抱く最大の疑問が、「なぜここまで破格の値段で提供できるのか」という点でしょう。その背景には、日本の食品流通業界が抱える構造的な課題と、ファンタジスタ独自の仕入れルートがあります。安さの主な理由は以下の3点に集約されます。
第1に、メーカーや卸売業者が抱える余剰在庫の直接買取です。食品業界には製造日から賞味期限までの期間を3等分し、「最初の3分の1までに小売店へ納品しなければならない」という商慣習(いわゆる3分の1ルール)が存在します。この納品期限を1日でも過ぎた商品は、中身に一切問題がなくても通常のスーパーには並べられず、メーカーの倉庫で廃棄処分を待つしかありませんでした。マルヤスはこうした商品を大量に一括現金で買い取ることで、驚異的な仕入れ値を実現しています。
第2に、パッケージ変更や微細な印字ミスによる訳あり品の引き取りです。新商品のリニューアルに伴い旧パッケージとなった製品や、季節限定のイベント商品(クリスマスやお正月パッケージの余剰など)、外装のわずかなへこみなどで流通に乗らない商品を柔軟に買い取っています。
第3に、徹底したオペレーションコストの削減です。店内の陳列はダンボール箱をそのまま積み上げるケース陳列を基本とし、過剰な内装装飾や大々的な折込チラシ広告などの販促費を極限までカットしています。浮いたコストをすべて販売価格に還元することで、10円〜数十円という衝撃のプライスが維持されています。