しかし、父と同じ名古屋学院大学外国語学部に進学した息子の心境は揺れていた。幼い頃から抱いていた表現への憧れ。モデル活動を経て本格的に俳優を志した際、堅実な道を願う父との間には深い溝が生まれた。
大学を中退し、単身上京を決断した息子に対し、父は当初強い懸念を示したという。安定とは無縁の世界。何の後ろ盾もない厳しい芸能界に身を投じる我が子を、親として手放しで応援することは容易ではなかった。そんな空気を一変させた決定打が、2017年の『仮面ライダービルド』への抜擢である。
万丈龍我役として愚直に役と向き合う息子の姿を画面越しに見つめた父は、やがてその覚悟を認め、誰よりも熱心な応援者へと変わった。実家に帰省した際、録画された息子の出演作が几帳面に保存されている光景に、赤楚自身も胸を打たれたと明かしている。