近年、彼女が情熱を注いでいるのが「刺し子アート」と呼ばれる手仕事の世界だ。伝統的な刺し子の技法をベースにしながらも、彼女独自の色彩感覚とモダンなデザイン性が融合した作品群は、美術界やクラフトファンの間で極めて高い評価を得ている。1針1針に込められた無心の祈りは、布の上に息をのむような繊細な小宇宙を作り出す。
個展やワークショップが開催されるたびに全国からファンが駆けつけ、その静謐な佇まいと温もりに直接触れようとする人々が絶えない。近年では作品のバリエーションもさらに広がりを見せており、伝統工芸の枠を超えた現代アートとしての新たな展開にも期待が高まっている。母から譲り受けた着物地に針を通すこともあるといい、作品そのものが家族の記憶を紡ぐ媒体となっているのだ。