金時食堂が全国の吞兵衛から聖地と崇められる最大の理由は、午前中からの通し営業にあります。10時30分頃の開店直後から、近隣の夜勤明けの労働者や休日の愛好家が暖簾をくぐり、ビールの大瓶を傾ける光景が日常的に広がっています。
席に着くと同時に「ビール大瓶(アサヒ・キリン等)」を頼み、ショーケースから選んだ「鯛の刺身」と「ポテトサラダ」をテーブルに並べる――。この一連の動作が流れるように成立する空間は、現代の都市部では極めて貴重です。煮物や揚げ物など温かい料理は店員にお願いすればレンジや鍋で再加熱してくれるため、常に最良の状態で味わうことができます。
お通し代(チャージ料)は一切かからず、明朗会計そのもの。ビール1本と小鉢2品、刺身1皿を頼んでも2,000円前後に収まる卓越したコストパフォーマンスは、無駄な付加価値を削ぎ落とし、実質的な「食の歓び」に特化してきた老舗ならではの強みです。