Q1:なぜ勝新太郎は14億円もの借金を抱えることになったのですか?
A1:勝プロダクションでの映画・テレビ制作において、予算を完全に度外視した過剰なリアリズム追求(何十テイクもの撮り直し、本物の骨董美術の使用など)を続けたこと、加えて銀座などでの際限のない豪遊と交際費の支出が重なったことが主因です。映画ビジネスの採算性を無視した芸術的完璧主義の結果でした。
Q2:黒澤明監督との『影武者』降板劇の決定的な理由は現場カメラの持ち込みですか?
A2:直接的な契機は、勝が自身の演技チェック用に持ち込んだビデオカメラを黒澤監督が拒絶したことでした。しかし本質は、撮影現場の全権を握る絶対主義者の黒澤監督と、自らも演出を手がける天才肌の勝新太郎という、二つの強烈な自我と演出観が妥協し合えなかったことにあります。
Q3:「パンツ事件」の釈明会見で勝新太郎はなぜ「もうはかない」と言ったのですか?
A3:一見すると突拍子もない不真面目な回答に見えますが、極限状態に追い込まれた記者会見の場においても、自己の悲壮感を晒すことを嫌い、「勝新太郎」という稀代のトリックスターを演じ切ろうとした自己演出の極致でした。世間を煙に巻き、笑いに昇華させようとする彼なりの美学とダンディズムの発露でもありました。