世界が息を呑む曲線の聖地、瞑想の森市営斎場が紡ぐ最期の美学の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。

柱を極限まで減らし、たわむような曲面だけで大空間を覆う。この前代未聞の試みを具現化したのが、伊東豊雄建築設計事務所と稀代の構造家・佐々木睦朗によるタッグだ。2006年の竣工当時、建築界の常識を根底から覆したこの3次元曲面RCシェル構造は、最薄部でわずか200ミリメートルという驚異的な薄さを誇る。

直線のない天井。コンクリートでありながら、まるで生き物のように呼吸しているかのような錯覚を覚える。新建築社をはじめとする主要メディアがこぞって絶賛し、現代日本建築の到達点として記録したのも頷ける。重力から解放されたかのような天井の起伏は、故人の魂が空へと還っていく軌跡をそのまま形にしたかのようだ。