多くのファンに惜しまれながら迎えた2020-21シーズン終了後の現役引退。その真相については当時様々な憶測も飛び交いましたが、本人のインタビューや関係者の証言を総合すると、極めてプロフェッショナルな「美学」に基づいた決断であったことが分かります。
身長188cmの石崎巧は、激しいコンタクトが日常茶飯事である欧州リーグや日本代表の国際舞台で、身体を張り続けてきました。30代後半を迎えても高いフィジカルコンディションを維持していましたが、本人が理想とする「攻守においてチームを支配し、勝利を決定づけるプレー強度」と、年齢に伴う身体のリカバリー速度とのバランスを極めて客観的に見極めていました。
引退会見や公式コメントで語られたのは、やり切ったという清々しい充足感でした。「まだやれる」という周囲の声に甘んじることなく、トップパフォーマーとしてのクオリティを保ったままユニフォームを脱ぐ決断を下した点に、知性派プレイヤーとしての矜持が如実に表れています。