世界を制した2023年ワールド・ベースボール・クラシックの宮崎キャンプにおいて、ダルビッシュ有が見せた振る舞いは語り草となっている。当時、栗山英樹監督の強い要請に応じて早期合宿から合流した彼は、緊張に固まる若手投手陣を自費での食事会に招き、自らの技術や哲学を惜しみなく共有した。あの決起集会こそが、チームの一体感を生み出した出発点だった。
プロ野球界の若手たちにとって、メジャーリーグベースボールの第一線で戦うレジェンドとの時間は、かけがえのない財産となった。変化球の握りから登板前の準備法まで、一切の出し惜しみなく教え込む姿は、まさに伝道師そのもの。栗山英樹元監督が求めた「チームの精神的支柱」という役割を、彼は期待以上の形で遂行してみせたのだ。