話題沸騰中の 水木しげるの「睡眠至上主義」手塚治虫との対比に見る93年長寿の真実について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

漫画界の歴史を振り返る上で、水木しげるの手塚治虫に対する睡眠観の違いはあまりにも有名な対比として語り継がれています。

「漫画の神様」と称された手塚治虫氏は、睡眠時間を1日3〜4時間に削り、移動中や打ち合わせの合間すら創作に注ぎ込む超人的なハードワークを続けていました。同様に「ギネス記録を持つ多作の王」石ノ森章太郎氏もまた、寝る間を惜しんでペンを走らせる生活を常態化させていたことで知られます。

ある対談の席で、誇らしげに短時間睡眠を語る手塚氏に対し、水木氏は「人間は眠らないとダメですよ。睡眠時間を削ってまで描くなんてバカバカしい」「眠っている時間こそ至福のときだ」と一歩も引かずに持論をぶつけました。当時の漫画界において、この発言は怠慢と受け取られかねない異端の主張でした。

しかし、結果は残酷なほど明暗を分けました。手塚氏は60歳、石ノ森氏も60歳という若さで病に倒れこの世を去ったのに対し、水木氏は病を退け、93歳まで現役の表現者として健筆を振るい続けました。手塚や石ノ森章太郎との睡眠に対するスタンスの隔たりが、作家としての持続力と生命力の長短を分けた決定打であったことは、歴史が証明しています。