今注目を集めている 水前寺清子『ありがとうの歌』誕生秘話と伝説の最高視聴率56%の真相について、詳しいまとめを整理して公開しています。

1970年4月に放送を開始したTBS系ドラマ『ありがとう』は、日本のテレビ史における伝説のホームドラマです。プロデューサー・石井ふく子、脚本・平岩弓枝、そして主演・水前寺清子という強力な布陣でスタートした同作は、回を追うごとに視聴者の熱狂的な支持を集めました。

とりわけ1972年から1973年にかけて放送された第2シリーズ(看護婦編)は、日本のテレビドラマ史上空前の数字を叩き出します。1972年12月21日放送回で記録した最高視聴率56.3%は、ビデオリサーチが関東地区で測定した民放テレビドラマ歴代1位の金字塔であり、半世紀以上が経過した現在も破られていない不滅の記録です。

この驚異的な数字を支えたのは、水前寺清子を囲む豪華なキャスト陣の卓越したアンサンブルでした。母親役を演じた山岡久乃との丁々発止の掛け合いは「理想の母娘像」として日本中の茶の間を釘付けにし、相手役を務めた石坂浩二との爽やかな恋愛模様は、国民的な関心事となりました。さらに、井上順、長山藍子、佐良直美といった実力派キャストが脇を固め、下町の生活感と人情味あふれるドラマ世界を構築。木曜日の夜8時になると「街から銭湯の客が消えた」と当時のスポーツ紙や週刊誌が報じるほどの社会現象を巻き起こしたのです。