なぜインクが残っているのに書けなくなるのか。その原因は大きく分けて3つに集約される。
第一の原因は「ペン先の空気噛み(気泡の混入)」だ。ボールペンを上向きにして文字を書いたり、胸ポケットにペン先を上にして刺したまま激しく運動したりすると、ボールとインクの間に空気が入り込む。一度気泡が入ると、インクの連鎖的な引き出し効果が断ち切られ、ペン先までインクが届かなくなる。
第二の原因は「ボール受座の固着と乾燥」だ。長期間使用していないと、ペン先の金属ボール表面に残ったインクが空気中の酸素や乾いた空気に触れて固化する。ボールが回転しなくなれば、どれだけインクが残っていても紙面にインクは付着しない。
第三の原因は「紙粉(しふん)や皮脂の目詰まり」だ。特に摩擦の多い用紙や、手の油分がついた紙の上で筆記を続けると、ボールの隙間に微細な紙の繊維や脂が巻き込まれ、ボールの回転を物理的にブロックしてしまう。