変わり果てた故人の姿であっても、「最期にひと目だけでも顔を見てお別れを告げたい」と願う遺族は少なくありません。そうした要望に応える技術が、専門の資格を持つエンバーマーや復元納棺師による遺体修復(復元処置・エンバーミング)です。
死後一週間が経過し、体液の流出や顔面の腫張・変色が見られる場合、通常の死化粧(ラストメイク)だけでは対応できません。血管内に防腐・殺菌・保色効果のある薬剤を注入し、体内の腐敗ガスや残留体液を吸引・洗浄した上で、乾燥や縫合、創部塞ぎを行う高度な処置が施されます。これら遺体修復の費用相場は15万円から40万円程度となり、損傷の度合いに応じて加算されます。処置を施すことで、感染症のリスクを排除し、穏やかな表情を取り戻してお別れの時間を過ごすことが可能になります。
一方、残された住居の原状回復には、一般的なハウスクリーニングとは全く異なるアプローチが求められます。特殊清掃の完全消臭にかかる費用相場は、間取りや汚染状況によって以下のように推移します。
- 汚染箇所の初期消毒・害虫駆除・体液除去:5万〜15万円
- 汚染された床材・畳・石膏ボードの解体撤去:10万〜30万円
- 高濃度オゾン燻蒸による完全脱臭作業:10万〜25万円
- 部屋全体の家財道具処分(遺品整理・仕分け):15万〜50万円
死後一週間の現場では、汚染が表面にとどまらず下地木材やコンクリートまで染み込んでいるため、床を丸ごと切り取る部分解体作業と、専用の薬剤塗布、オゾン発生器による数日間の燻蒸脱臭を組み合わせる「完全消臭施工」が必須です。トータルの原状回復費用は30万円から100万円超に達することが多く、費用負担を巡るトラブルを防ぐためにも、早期の見積もり取得と作業範囲の明確化が重要となります。