近年、東宝演劇をはじめとする大劇場のステージで、寺西拓人の歌唱力とダンススキルは目覚ましい進化を遂げた。オーケストラの重厚な生演奏に埋もれることなく、劇場の隅々まで美しく響き渡る声量と豊かな倍音。特に難曲を歌いこなす際のピッチの正確さと、情感を歌声に乗せる表現力は専門家筋からも極めて高い評価を得ている。
グランドミュージカルの広大なステージを一人で埋めるダイナミックなダンスステップも圧巻だ。長身としなやかな四肢を生かしたムーブメントは、優雅さと力強さを兼ね備えている。アンサンブルと溶け合いながらも、一瞬のソロパートで観客の視線を奪い去る華。大型ミュージカルのメインキャストとしてキャスティングされ続ける理由は、この確かなスキルの裏付けがあるからに他ならない。