日本における視覚的テキストコミュニケーションの歩みは実に興味深い。1990年代末、栗田穣崇氏の手によって誕生した極小の絵文字は、限られた画面容量で豊かな感情を表現するためのイノベーションだった。この文化は、携帯電話のキャリア絵文字時代を経て、2010年代以降はLINE株式会社(現LINEヤフー)が提供するLINEスタンプや絵文字サービスによって爆発的な進化を遂げた。
従来のいわゆる「ギャル文字」や、2ちゃんねる文化から派生したアスキーアート的な特殊文字・顔文字は、時代とともに姿を変え、よりミニマルで洗練されたグラフィック要素へと昇華した。カラーのイラストスタンプから、あえてモノトーンの記号テキストへ戻る揺り戻しの現象は、デジタルコミュニケーションが成熟期に入ったことを物語っている。