初めての1着を選ぶ際、最も注視すべきは「着丈」と「裄丈(ゆきたけ)」のバランスである。着丈が長すぎるとガウンや着流しのように見え、短すぎると法被(はっぴ)のような祭り衣装に見えてしまう。街着として最もバランスが良いのは、太ももの中間あたりに裾がくるミドル丈だ。この長さであれば、歩くたびに裾が軽やかに揺れ、美しいドレープを演出できる。
素材選びにおいては、着用する季節と手入れの容易さが鍵を握る。春先や秋口には、適度なハリと落ち感を兼ね備えたリネンやウール混紡が適している。夏場には通気性に優れた薄手の麻や機能性ポリエステルが重宝する。特に現代の紡績技術によって生まれたウォッシャブルな機能性素材は、家庭で簡単に手入れできるため、ヴィンテージ古着特有の扱いにくさを敬遠する初心者にとって頼もしい選択肢となる。