現代の視点から振り返ると、この事故は当時のテレビ番組制作における安全管理体制の欠如が引き起こした人災の側面も否定できません。
1980年代の日本のテレビ業界は、刺激的で誰も見たことがない映像を求めるあまり、危険なロケーションに対する危機意識が希薄な時代でした。「現地の専門家が大丈夫と言っているから安全」「慣れている動物だから檻の外でも触れ合える」といった過信が、出演者を危険に晒す構造を生み出していました。
現代の撮影現場であれば、出演者と猛獣の間には頑丈な防護ネットや専任のハンター、厳格な緊急時プロトコルが配置されるのが常識です。松島さんの悲惨な事故は、後の海外ロケにおけるリスクマネジメントや出演者の生命保護基準を大幅に見直す大きな転換点となりました。