スカイレストニュー室戸が誕生したのは、マイカーブームと観光開発が最高潮を迎えていた1970年代後半(昭和50年代)のことです。当時、有料道路として開通した「室戸スカイライン」の開通に合わせ、ドライブ客をターゲットにした大型展望レストランとして建設されました。
設計には当時の近未来志向が色濃く反映され、円形と幾何学的なブロックを組み合わせた独創的なモダニズム建築は、室戸岬のランドマークとして多くの観光客を魅了しました。ガラス張りの客席からは270度を超える雄大な太平洋の水平線が一望でき、ドライブウェイを訪れるドライバーや観光ツアー客で連日賑わいを見せていたのです。
しかし、バブル崩壊後の観光需要の冷え込みや、四国全体の交通網の変化に伴い客足は徐々に減少。さらに、海抜約200メートルの崖上という過酷な立地条件から、塩害による建物維持費が経営を重く圧迫しました。最終的に1990年代末から2000年代初頭にかけて閉業を余儀なくされ、その後は新たな活用策が見出されないまま、静かに時を止めることとなりました。