スノーピークの信頼を築いた立役者は、間違いなく「アメニティドーム」だった。高品質でありながら手が届く価格設定。家族連れが安心して使える入門テントとして、日本のオートキャンプ普及に計り知れない貢献を果たした名作だ。
ところが近年の価格戦略は、古くからの支持者を置き去りにした。原材料高騰や品質維持を理由に、毎年のように繰り返された大幅な価格改定。エントリーモデルですら気軽に手が出せない高級品となり、ハイエンドラインは数十万円に達した。低価格で高機能な製品を次々に投入するワークマンなどの競合や、新興のガレージブランドが台頭するアウトドア用品業界において、「キャンパー目線」を掲げていたはずのブランドが高嶺の花へと逃避した姿は、多くのユーザーに「一般客の切り捨て」と映ったのである。