スーパーのパック卵から生命が生まれる確率は、何も対策をしなければ数パーセントに過ぎない。だが、最新の管理技術を応用することで、その成功率は劇的に跳ね上がる。最大の鍵を握るのは「温度」と「湿度」の精密なコントロールだ。
孵卵器内の温度は常に37.5℃から37.8℃の範囲に保たなければならない。38.0℃を超えると胚は熱ショックで致死的なダメージを受け、36.5℃を下回ると成長が著しく遅延する。また、湿度は前半の14日間を55%から60%前後に維持し、誕生直前の3日間は70%近くまで引き上げることが求められる。この湿度の上昇が、殻の内側にある卵殻膜の乾燥を防ぎ、雛が自力で殻を割りやすくするための秘訣である。