スリーチムニーズファームの礎を築いたのは、創業者ロバート・クレイ(Robert Clay)氏が1972年にわずか数頭の牝馬でスタートさせた情熱でした。牧場の名を世界的なものにした最大の契機は、1985年に迎え入れた無敗の米国三冠馬シアトルスルー(Seattle Slew)の繋養です。エーピーインディ(A.P. Indy)をはじめとする数々の歴史的名馬を送り出し、スリーチムニーズの名は「超一流スタリオンが住まう場所」として世界中に刻印されました。
さらに、ケンタッキーダービー馬シルバーチャーム(Silver Charm)やプリークネスS・ベルモントSの二冠馬ポイントギヴン(Point Given)、希代の芝・ダート万能種牡馬ラーイ(Rahy)、そしてバーバロの父として知られる名種牡馬ダイナフォーマー(Dynaformer)など、歴代名馬の豪華な顔ぶれがこの地から輩出されてきました。
2000年代後半に創業者クレイ氏の引退と種牡馬の世代交代による過渡期を迎えましたが、2013年にブラジルの名門スタッドTNTを率いるゴンサロ・ボルジェス・トレアルバ(Gonçalo Borges Torrealba)氏を中心とするグループが経営権を取得。この大規模な資本投下とグローバルな事業再編が、後のガンランナー導入という起死回生のヒットへと結びつきました。