では、株式会社喜代村と木村社長は現地で具体的に何を行ったのでしょうか。その行動力は民間の枠を遥かに超えていました。
当時、ソマリア沖のアデン湾はキハダマグロなどの好漁場として知られていましたが、内戦と海賊の横行によって漁業は完全に破綻していました。木村社長は隣国のジブチに拠点を設置。現地の政府関係者や海賊の元締めらと接触し、「なぜ海賊をするのか」と直接対話を試みました。そこで返ってきた「生活のために仕方なくやっている」という言葉を受け、木村社長は自社資金を投じて本格的な漁業支援に乗り出します。
喜代村が実施した具体的な支援策は以下の通りです。
1. 漁船と漁具の無償供与:現地で使われていなかった船を調達・修理し、マグロ延縄(はえなわ)漁に必要な資材を現地漁民や元海賊たちに提供しました。
2. 冷凍設備・物流インフラの整備:獲れた魚を鮮度管理できるよう、ジブチ港に保冷倉庫や製氷設備を整備し、コールドチェーンの基盤を構築しました。
3. 漁獲物の買い取りと流通ルート開拓:ソマリア沖で獲れたキハダマグロを喜代村が適正価格で買い取る仕組みを作り、現地に安定した現金収入をもたらしました。
これら一連の取り組みは日本政府や国際機関からも注目され、ジブチ政府から木村社長へ勲章が授与されたほか、日本国内でも外務省から感謝状が贈呈されるなど高い評価を受けています。