國科會が世界中、とりわけ日本の半導体素材・製造装置メーカーやIT大手から熱い視線を浴びている理由は、台湾の国家競争力を左右する3つの根幹機能を直接掌握しているからです。
第1に、「国家科学技術予算の一元査定と戦略的配分」です。台湾政府が投じる科学技術予算(年間1,500億台湾元=約7,000億円超規模)の配分権限を実質的に握っており、各省庁が提出する研究開発計画の採択や優先順位付けを一手に担っています。これにより、生成AIインフラ、2nm以下の超微細化プロセス、シリコンフォトニクス(光電融合技術)といった最先端分野へ、迷いなく巨額資金を集中投下する体制が敷かれています。
第2に、「三大サイエンスパーク(科學園區)の直接管轄」です。新竹科学園区(Hsinchu Science Park)、中部科学園区、南部科学園区という、TSMCをはじめとする世界最高峰の半導体エコシステムが集積する特区のインフラ整備、用地取得、水資源・電力確保、税制優遇措置の設計を國科會傘下の管理局が直轄しています。日系サプライヤーが現地に進出する際、許認可やインフラ調整の最終局面で向き合うことになるのが國科會です。
第3に、「産学官連携と次世代トップ人材の育成」です。台湾大学や清華大学、陽明交通大学などの名門校に設置された「半導体研究学院」を強力に財政支援し、TSMCや聯発科(MediaTek)などの民間トップエンジニアが教鞭を執る特殊プログラムを主導。年間数万人規模の即戦力エンジニアを輩出するエコシステムを國科會が制度設計しています。