たけのこの煮物は切り方で激変!プロが教える部位別極上カット術の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

一本のタケノコを手に入れたら、まず行うべきは「三段分割」だ。全体を均等に使うのではなく、柔らかい「穂先」、程よい歯ごたえの「中央」、繊維が密集した「根元」の3つに切り分け、それぞれに最適な調理技法を当てはめる。この下ごしらえが仕上がりの明暗を分ける。

先端から約3分の1にあたる穂先は、繊維が非常に繊細で柔らかい。ここは繊維に沿って縦に包丁を入れ、くし形切りや放射状の縦割りに仕立てる。ひだ状の美しい層を残すことで、煮汁を優しく抱え込み、口に運んだ瞬間にジュワッと出汁が溢れ出す極上の食感が生まれる。

中央部分は、適度な歯ざわりと甘みを楽しめる部位だ。ここでは厚さ1〜1.5センチ程度の半月切りやいちょう切りが適している。繊維に対して垂直に切り落とすことで断面に適度な気孔が露出し、煮崩れを防ぎながら芯までしっかりと調味液を含ませることができる。

そして最も工夫を要するのが強靭な繊維を持つ根元である。根元は厚さ1センチ未満の輪切りにした後、繊維を短く分断するように乱切りにするのが定石だ。さらに表面へ格子状の隠し包丁を浅く入れておくと、驚くほど味が染み込みやすくなる。硬いからと敬遠されがちな根元だが、的確な乱切りを施すことで、心地よいサクサクとした歯切れの良さへと昇華する。