炭谷銀仁朗のキャリアを語る上で欠かせないのが、3球団を渡り歩いた濃密な移籍の軌跡です。2018年オフ、西武で長年正捕手を務めた炭谷は海外FA権を行使して読売ジャイアンツへ移籍。この際、西武ファンに大きな衝撃を与えたのが、人的補償として名投手・内海哲也がライオンズへ移籍したドラマでした。巨人では菅野智之らエース級の捕手役や若手の指南役としてリーグ連覇に貢献しました。
その後、2021年シーズン途中にトレードで東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍。即戦力捕手として東北の投手陣を牽引し、田中将大や則本昂大らと呼吸の合ったバッテリーを組みました。しかし2023年オフ、楽天球団の世代交代方針に伴い自由契約を選択。その去就が注目される中、いち早く獲得に動いたのが古巣の埼玉西武ライオンズでした。
西武復帰の最大の理由は、チームの世代交代に伴って失われていた「勝負どころでの捕手の経験値」を埋めるためでした。当時の球団首脳陣は「ライオンズの野球を知り尽くし、投手陣を勝たせる術を身体で知っている銀仁朗の復帰こそがチーム再建の切り札」と熱烈なラブコールを送り、6年ぶりの劇的な帰還が実現したのです。