ワシントン大学病院での徹底した食事制限により、ミノックは歴史上類を見ない減量劇を演じることになる。1日わずか1,200キロカロリーに制限された超低カロリー食プログラムが開始されると、彼の体からは驚くべきスピードで水分と脂肪が失われていった。約16ヶ月の入院生活を経て、彼の体重は216kgにまで減少。実に419kgという、人類史上最大とされる減量記録が達成された瞬間だった。
だが、人間の身体が持つホメオスタシス(生体維持機能)の反動は凄まじかった。退院後、わずか1年足らずで彼の体重は再び89kg以上増加した。急激な体重変動は電解質バランスを激しく揺さぶり、心筋に致命的な負荷を与えた。1983年、彼は41歳の若さでこの世を去った。彼の短くも壮絶な生涯は、急激な減量がもたらす代謝障害の危険性と、肥満治療における持続可能なアプローチの重要性を痛烈に示している。