全国で定着していたブルマが急速に排除された最大の引き金は、1980年代後半から1990年代にかけて深刻化した社会問題でした。
家庭用ビデオカメラや望遠レンズ付きカメラの普及に伴い、運動会や学校外のロードレースなどで女子生徒を無断で狙う盗撮被害が激増しました。さらに、1990年代初頭には使用済みの体操服などを売買する「ブルセラショップ」が社会問題としてワイドショーや新聞で大々的に報道されるようになります。女子生徒の体操服が性的な対象として消費される現実が白日の下に晒されたのです。
現場の女子生徒たちからは「恥ずかしくて体育に集中できない」「なぜ女子だけが露出度の高い服を強制されなければならないのか」といった切実な声が噴出しました。1993年、東京都の養護教諭グループや女性団体が中心となり、ブルマ着用の強制を見直すよう求める運動を展開。新聞各紙が「ブルマ見直し」を大きく報じたことで、世論は一気に廃止へと傾きました。
教育現場でも「生徒の人権とプライバシーを守るべきだ」という意識が急速に高まり、学校側も従来の指定を見直さざるを得ない状況に追い込まれました。